茨城空港の可能性 [徒然らくがき]
茨城空港に春秋航空が就航した。上海まで4千円、8千円から需要に応じて3万円程度までの航空運賃で移動できる。茨城空港へのアクセスは、新聞が報じているほど難しくはない。東京駅から片道500円の直通高速バスが出ており、成田空港と時間的にはほとんどかわらない。
Ryan Airを筆頭に格安航空会社は、安全性を犠牲にせず、機内食を有料化したり客室乗務員のサービスを最小化することで急成長してきた。さらに、たとえばルフトハンザが就航するフランクフルト・マイン空港を意図的に避け、そこから2時間ほど高速バスで離れた不便な地方空港をあえて利用して空港利用コストを削減するというような様々な工夫をしている。機内持ち込み荷物は10kgに制限され、カウンターで預ける場合には30ポンド程度の追加料金を支払う必要がある。乗客はオンラインで事前にチャックインを行いボーディングパスを印刷しなければならない。座席指定はなく早い者順の全席自由。機内食や飲料は有料。飛行機の搭乗口には徒歩で向かうことになる。だが、そのかわりチケット代金は驚くほど安い。統計学を駆使した計算システムで、需要に応じてチケットの値段は変動する。直前は高く、早めに購入するほど安い。一度に予約が殺到すれば値段は上昇し、予約がガラガラの場合は逆に値段が下がる。とにかく飛行機1機で稼げるだけ稼ごうという姿勢を貫いている。空席で飛ばすくらいなら、10ポンドでも席を売ったほうが利益になるという考え方が徹底されている。
今回の茨城空港の春秋航空就航は、成田にとっては大きな脅威になるだろう。上海空港はアジアのハブ空港のひとつであり、上海乗継で全世界に容易にアクセス可能となる。国土交通省は、ほとんど利用実績のない茨城空港を何とか活用するため、それこそ苦肉の策として認可したのだろうが、これはまさに日本の航空業界にとってはパンドラの箱を開けたに等しい。京阪神、福岡、北海道などの利用実績の僅かな地方空港は今回の成否を固唾をのんで見守っているはずだ。中国からの観光客をあてにするなら、第二、第三の茨城空港が日本には必要となる。近い将来、春秋航空に代表されるような格安航空会社が勢力をまし、日本とアジア域内の人の移動が、現在のEU圏並みに増加する可能性もある。日航と全日空の将来は、ルフトハンザやデルタ航空のように、格安航空会社との直接的値段競争を極力避け、いかにサービスなど質で勝負できる体制を構築するかにかかっている。
私は、一人の消費者として、春秋航空の茨城空港就航を歓迎してます。が、日本の航空業界にとっては一段と厳しい状況が出現しつつあるんじゃなかろうか。ほんとうに近い将来、例の規制緩和後のタクシー業界や高速バス業界のような悲惨な状況が航空業界にも出現するかもしれない。





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